浮気した夫から「離婚したい」と言われました。どうしたらいいですか?

浮気した夫から離婚したいと言われ戸惑う妻

「じゃあ、離婚でいいってことね。」

浮気の証拠を確認したあと、ご主人から突然そんなことを言われたら、どうしたらいいのでしょうか。

「浮気をしたのは主人なのに、どうして私が離婚を言われるの?」

「私は離婚したいなんて一度も言っていない。」

「もしかして、浮気相手と一緒になるつもりなの?」

頭の中が混乱してしまうと思います。

実際、ご相談をお受けしていると、

「女に書かせた誓約書を主人に見せたら、『じゃあ、離婚でいいってことね』と言われました。どうしましょう。」

「元々終わっていたんだから、離婚するしかないよね、と言われました。」

「今さら元に戻るなんてできるわけないでしょ。弁護士から連絡してもらうから準備しておいてね、と言われました。」

「お互い気持ちはとっくに離れているでしょ。離婚するしかないでしょ、と言われました。」

そんなお話を伺うことがあります。

私はまず、

「ご主人から『離婚したい』と言われたからといって、それだけで離婚が決まるわけではありませんよ。」

とお話しします。

そして、

「まず、ご主人ではなく、あなたはどうしたいですか?」

と聞きます。

今は離婚したくない。

離婚した方がいいのかもしれないけれど、まだ分からない。

子どものことを考えたら、今すぐには決められない。

それでいいと思うんです。

離婚は、これからの人生に関わる大きな問題です。

ご主人から「離婚したい」と言われたその場で、ご自身まで答えを出す必要はありません。


目次

ご主人の「離婚したい」は、どこまで本気なのでしょうか

浮気が分かり、証拠を確認したあとに、「離婚」を切り出すご主人もいらっしゃいます。

そんな時、私は、

「その『離婚したい』は、どこまで本気なんだろう。」

と考えます。

もちろん、本気で離婚を考えている方もいます。

以前から夫婦関係について悩み、離婚を考えていた方もいるでしょう。

一方で、浮気が分かったその場で感情的になって、「離婚」を口にしている場合もあるかもしれません。

これは、ご主人本人に聞かなければ分かりません。

だからこそ、言葉だけですぐに判断しないことも大切だと思っています。

なぜ離婚したいと思っているのか。

いつからそう思っていたのか。

浮気相手との関係をどう考えているのか。

そして、言葉だけではなく、その後どのような行動をしているのか。

ご主人の本音を考えるためには、今のお二人の状況を見ていく必要があります。


「離婚したい」と言われたその日に、答えを出さなくていい

突然、

「離婚したい。」

と言われたら、

「絶対に離婚しない!」

と言いたくなるかもしれません。

反対に、

「そこまで言うなら離婚してやる!」

と言いたくなることもあるでしょう。

浮気をされたうえに離婚まで言われたのですから、感情が高ぶってしまうのも無理はないと思います。

でも、離婚すれば生活は変わります。

住む場所。

仕事や収入。

お子様がいれば、これからの生活や進学。

そして何より、ご自身が本当にこの結婚を終わらせたいと思っているのか。

考えることはたくさんあります。

だから、

「今すぐには答えられない。少し考えたい。」

でもいいのです。


自宅の目の前で、浮気相手との生活を始めたご主人

以前、会社を経営されているご主人の浮気を調査したことがあります。

ご主人は、自宅の目の前にある会社所有のマンションで、浮気相手との生活を始めました。

そして、奥様に離婚を求めてきました。

提示された離婚の条件が、すべて悪かったわけではありません。

それでも奥様には、まだこれからのお子様がいました。

そして何より、自宅の目の前で、ご主人と浮気相手が平然と一緒に暮らしている。

奥様は納得できませんでした。

浮気の証拠もあります。

奥様が出した答えは、

「私は離婚しません。」

でした。

その後、離婚調停になりましたが、話はまとまりませんでした。

ご主人側は弁護士にも相談していましたが、その時点では訴訟には進みませんでした。

それから3年ほど経った頃、私たちは再び調査をしました。

ご主人と浮気相手の関係は続いていました。

その事実も改めて確認しました。

奥様は、

「また離婚と言われても、私は応じません。」

とおっしゃっていました。

ご主人が離婚を望んでいても、この奥様自身は離婚を望んでいなかった。

だから、

「離婚しない。」

という答えを出したのです。


「離婚はする。でも今ではない」と決めた奥様

もう一人、印象に残っている奥様がいます。

ご主人は、

「離婚する。」

「もう無理だ。」

と何度も言っていました。

浮気の証拠もありました。

でも奥様には、まだ小学生のお子様がいました。

そして奥様自身も、当時はパートで働いていました。

ここで離婚したら、その後の生活をどうするのか。

お子様のことはどうするのか。

奥様は考えました。

そして出した答えは、

「今は離婚しない。」

でした。

ただ、この奥様は夫婦関係をこのまま続けようと思っていたわけではありません。

資格を取る。

安定した仕事に就く。

お子様の中学校進学まで待つ。

その間に住宅ローンの返済も進める。

3~4年ほどかけて、自分とお子様のこれからを考えながら生活基盤を整えていくことにしたのです。

ご主人には、浮気の証拠があることを示しました。

そして、お子様の中学校進学が決まったら離婚に応じること、それまでの家計についても条件を決めました。

奥様は、

「離婚しない。」

と決めたわけではありません。

「今は離婚しない。」

と決めたのです。

私は、この二つは全く違うと思っています。

ご主人から「離婚したい」と言われたからといって、その時が奥様にとって離婚する時とは限りません。

お子様のこと。

仕事のこと。

住まいのこと。

そして、自分自身の気持ち。

離婚後の生活を考えれば、仕事を探したり、資格を取ったり、収入の見通しを立てたり、お子様の進学の時期を考えたりする時間が必要な方もいらっしゃると思います。

離婚するかどうかだけではなく、「もし離婚するなら、いつなら自分は納得してその先へ進めるのか」まで考えてもいいのです。


二人の奥様が選んだ答えは、まったく違いました

一人目の奥様は、

「私は離婚しない。」

と決めました。

二人目の奥様は、

「離婚はする。でも今ではない。」

と決めました。

まったく違う答えです。

でも、私はこのお二人には一つ共通するところがあったと思っています。

ご主人から「離婚したい」と言われたからという理由だけで、自分の人生を決めなかったことです。

修復したいと思う方もいるでしょう。

離婚したいと思う方もいるでしょう。

今はまだ分からないという方もいます。

どれが正しいということではありません。

大切なのは、ご主人の答えではなく、

「私はどうしたいのか。」

を考えることなのだと思います。


証拠があるからこそ、今度は自分のこれからを考える

今回お話ししているのは、ご主人の浮気について必要な証拠を確認したあとのケースです。

証拠を取ったからといって、すぐに離婚しなければならないわけでも、すぐにご主人と決着をつけなければならないわけでもありません。

私は、浮気の証拠は相手を責めるためだけにあるものではないと思っています。

何があったのかは、もう確認できています。

だからこそ、今度はご主人ではなく、

ご自身のこれからを考える時間にしてもいい。

離婚するのか。

修復するのか。

今は何も決めないのか。

離婚するとしても、今なのか、少し先なのか。

現状が分かったからこそ、考えられることもあると思います。

ここで、浮気相手との関係をどうするのかという問題がまだ残っている方は、以前のコラムでも詳しくお話ししています。

【内部リンク:第36回「浮気相手と別れさせたい」へ】


23年間の相談で感じてきたこと

23年間、浮気や夫婦問題のご相談をお受けしてきました。

その中で感じるのは、

「離婚したい」という言葉の重さは、人によって違う

ということです。

本当に離婚を考えている方もいます。

一方で、

「だったら離婚すればいい。」

と強く言っていたものの、その後の様子を見ていると、本当にそこまで考えていたのだろうか、と感じたケースもありました。

ですから、

ご主人が離婚と言っているから、私も離婚する。

ではなく、

ご主人が何を考えているのかを確認する。

今のお二人の状況を見る。

そして最後は、

自分がどうしたいのかを考える。

私は、その順番でいいのではないかと思っています。


まとめ|ご主人の「離婚したい」は、ご主人の答えです

浮気をされた。

証拠も確認した。

そのうえ、ご主人から、

「離婚したい。」

と言われた。

とても苦しい状況だと思います。

でも、

ご主人が「離婚したい」と言った。

それは、ご主人の答えです。

では、あなたはどうしたいですか。

その答えまで、ご主人に合わせる必要はありません。

「私は離婚しない。」

でもいい。

「離婚はする。でも今ではない。」

でもいい。

「まだ分からない。」

でもいいのです。

一生に関わることです。

今日決めなくてもいい。

私は、ご自身が納得できる答えを出すまで、時間をかけて考えてほしいと思っています。

そして、一人で考えても整理できない時には、ご夫婦のことを相談できる専門家や、法的な判断が必要であれば弁護士などに相談する方法もあります。

私はまず、

「ご主人はどうしたいのでしょうね。」

だけではなく、

「あなたは、これからどうしたいですか。」

そこを一緒に考えていきたいと思っています。


よくあるご質問(Q&A)

Q. 夫から「離婚したい」と言われました。すぐに応じなければいけませんか?

ご主人から「離婚したい」と言われただけで、直ちに離婚が成立するわけではありません。

協議離婚は夫婦双方が離婚に合意して行うものです。話し合いで合意できない場合には、家庭裁判所の調停などに進むことがあります。

ご自身が今は離婚したくない、あるいはまだ判断できないのであれば、その場ですぐに同意する必要はありません。

具体的な法的判断については、個々の事情によって異なるため、必要に応じて弁護士等に確認してください。

Q. 浮気をした夫からでも、離婚を求めることはできるのですか?

離婚を求めること自体はできます。

ただし、不貞など婚姻関係の破綻について主な責任がある配偶者からの離婚請求が裁判で認められるかどうかは、一律には決まりません。

個々の事情によって判断が異なるため、実際に調停や裁判などの話が出ている場合には、ご自身のケースについて弁護士に確認することをおすすめします。

Q. 私自身、離婚したいのか分かりません。

今すぐ分からなくてもいいと思います。

浮気が分かったうえに離婚まで切り出された直後であれば、気持ちの整理がつかない方もいらっしゃいます。

「離婚する」「離婚しない」だけではなく、

「今は決めない。」

という選択もあります。

ご自身やお子様のこれからも含めて、考える時間を持ってもいいと思います。

Q. 夫が何度も「離婚する」と言っています。本気なのでしょうか?

言葉だけで本気かどうかを判断することはできません。

本当に離婚を考えている場合もあれば、その時の感情から口にしている場合も考えられます。

ご主人がなぜ離婚したいと言っているのか、その後どのような行動をしているのかなど、現在の状況を見ながら考えることが大切です。

そして、ご主人の本気度を考えるだけではなく、

「私はどうしたいのか。」

も一緒に考えてみてください。

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