「子どもには知られたくないから、何もないふりをしています。でも、主人が帰ってこない深夜、既読のつかないLINEの画面を見ているだけで涙が止まりませんでした。」
「子どもの前ではいつも通りと自分に言い聞かせてきました。でも、笑顔ってどうしたらいいのか分からなくなってしまったんです。」
「『急な出張になったから帰れない。』と主人からLINEが来ました。涙が出そうになって、慌てて子どもに背中を向けました。」
私は23年間、多くのご相談をお受けしてきました。
このような言葉を伺うたびに思うことがあります。
それは、
お母さんは、一人で頑張り過ぎてしまう。
ということです。
「子どもには心配をかけたくない。」
「子どもの前では笑顔でいなければ。」
「私がしっかりしなければ。」
その気持ちは、とてもよく分かります。
だからこそ、知らず知らずのうちに、ご自身の気持ちを後回しにしてしまう方が少なくありません。
でも、本当は泣きたい日もあります。
苦しくて眠れない夜もあります。
そんな時くらいは、少しだけ**「頑張らない自分」**を認めてあげてもいいのではないでしょうか。
一人で頑張り続けることが、強さではありません
私がご相談者様に最初にお伝えする言葉があります。
「一人で頑張ってこられたんですよね。今日は、ゆっくりお話を聞かせてください。」
そして、
「辛かったですよね。ここでは涙を流しても大丈夫ですよ。」
そうお伝えすると、それまで気丈に振る舞っていた方が、張りつめていた糸が切れたように涙を流されることがあります。
私は、その涙を弱さだとは思いません。
むしろ、それだけ長い間、ご自身の気持ちを押し込めながら、ご家族のために頑張ってこられた証だと思っています。
子どものため。
家族のため。
その思いは、とても尊いものです。
ですが、お母さんが笑顔を失ってしまうほど無理を続けることが、本当にご家族の幸せにつながるのでしょうか。
私は、何度もその場面を見てきました。

子どもの笑顔を守るために、お母さんは泣くことも我慢していました
以前、ご相談に来られた奥様のお話です。
「パパは何時に帰ってくるの?」
その一言が、本当につらかったそうです。
ご主人は「出張」という理由で外泊することや、深夜に帰宅することが増えていました。
パパが大好きな一人娘は、毎日ご主人の帰りを楽しみに待っていました。
「明日の運動会は来てくれるって言ってたよね。」
娘さんがそう聞くと、
「そうだね。」
と笑顔で答えながらも、奥様の胸の中は張り裂けそうだったそうです。
娘さんに申し訳ない気持ち。
毎日ご主人の帰りを待ち続ける娘さんが不憫でならない気持ち。
涙がこぼれそうになるのを必死にこらえながら、
「じゃあ、明日のダンスの練習をママとしようか。」
そう声を掛けて、娘さんと一緒に笑顔で過ごしたそうです。
そして迎えた運動会当日。
娘さんは朝から、お父さんが来ることを楽しみにしていました。
ですが、ご主人が会場へ来たのはお昼頃。
しかも、
「ごめんね。パパ、まだ仕事が終わらないから。」
そう言って、また仕事へ戻ってしまいました。
本当なら三人で囲むはずだったお弁当。
その日は、奥様と娘さん二人だけのお弁当になりました。
周りを見渡せば、お父さん、お母さんと一緒にお弁当を食べているご家族ばかり。
娘さんに寂しい思いをさせたくなくて、奥様はいつも以上にはしゃぎ、笑顔で話しかけ続けたそうです。
でも、その夜。
娘さんを寝かしつけたあと、張りつめていた気持ちが一気にあふれ、朝まで涙が止まらなかったと話してくださいました。
ですが、その暗闇の時間が、ご自身の覚悟を決めるきっかけになりました。
「娘に、これ以上こんな思いをさせたくない。」
その気持ちが、奥様の背中を押したのです。
そして、その日から慌てて離婚を切り出すのではなく、少しずつ将来に向けた準備を始められました。

一人で抱え込まないでください
23年間、多くのご相談者様と向き合ってきて感じることがあります。
それは、一人で頑張り続けてしまう方ほど、自分では心も体も限界に近づいていることに気が付けなくなってしまうということです。
そして、**「もう無理かも」**と思った時には、それしか答えが見えなくなってしまう方を、本当にたくさん見てきました。
だから私は、専門家に相談するという時間を持っていただきたいと思っています。
もちろん、私でなくても構いません。
信頼できる人でも、専門家でも構いません。
誰かに話すことで、
「そんな考え方もあるんだ。」
「そんな方法もあるんだ。」
という新しい気づきが生まれることがあります。
その気づきが、ご自身の心に少し余裕をつくり、お子さんにも優しく接することにつながっていくのではないでしょうか。
まとめ|お母さんが笑顔でいられることも、お子さんへの愛情です
お子さんのために笑顔でいようと努力してきたこと。
その時間は、決して無駄ではありません。
でも、笑顔を作り続けることに疲れてしまったのなら、一人で抱え込まないでください。
時には涙を流す日があってもいい。
少しだけ「頑張らない自分」を認めてあげてもいい。
そうすることで、また前を向ける日がきっと来ます。
お母さんが笑顔でいられることも、お子さんにとって大切な幸せの一つですよね。
だから、一人で頑張り続けないでください。
困ったときは、誰かを頼る勇気を持つことも、ご家族を守るための大切な一歩だと、私は思っています。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 子どもの前では笑顔でいようと思っていますが、とてもつらいです。
無理に笑顔を作り続ける必要はありません。お子さんを大切に思うからこそ頑張ってしまうお気持ちはよく分かります。まずは一人で抱え込まず、信頼できる人や専門家にお気持ちを話してみてください。
Q. 誰かに相談するだけでも気持ちは変わりますか?
多くのご相談者様が「話を聞いてもらっただけで気持ちが整理できました」とおっしゃいます。答えを急ぐ必要はありません。まずは一人で抱え込まないことが大切です。


