「私が気にし過ぎなのかもしれないんですが……。」
「主人からは『頭がおかしくなったんじゃない?』と言われるのですが、やっぱり気になってしまって。」
「随分前に一度浮気があったので、どうしても『もしかして、また?』と思ってしまいます。」
「何もなければ、それで安心なんです。でも、どうしても〇〇が気になってしまって……。」
私は23年間、浮気や夫婦問題について多くのご相談をお受けしてきました。
その中で、このような言葉を本当によく耳にします。
ご主人を疑っていることが苦しい。
でも、それ以上に、
「疑っている私の方がおかしいのでは?」
と、ご自身を責めてしまう方がとても多いのです。
そんな時、私はまずこうお伝えしています。
「疑っている自分がおかしいなんて思わなくていいんですよ。それだけご主人のことを大切に思っているからこそ、気になってしまうこともありますからね。」
そして、
「まずは、何が気になっているのか、ゆっくりお話を聞かせてくださいね。」
とお伝えします。
疑ったからといって、浮気をしているとは限りません。
反対に、
「私の考え過ぎだった。」
と自分に言い聞かせていても、実際にはその違和感に間違いがなかったこともあります。
だからこそ、私は最初から「浮気している」「浮気していない」と決めつけることはしません。
まずは、ご相談者様がなぜそう感じたのかを一つずつお聞きすることから始めます。
「もしかして今も…」20年前の一通の手紙を持ってこられた奥様
以前、60代のとても上品な奥様から、ご主人についてご相談をいただいたことがあります。
その時、奥様がお持ちになったものがありました。
一通の手紙です。
それは、今から20年ほど前、ご主人と関係があった女性から送られてきたものでした。
奥様は、その手紙をずっと持っていらっしゃいました。
そして、
「もしかしたら、今もこの女性との関係が続いているのではないでしょうか。」
と心配されていたのです。
ご主人は飲食店を複数経営されていました。
仕事柄、帰宅が深夜になることも多く、朝帰りも珍しくありません。
さらに、以前は奥様がお店を手伝うことを望んでいたご主人が、いつの頃からか、奥様がお店へ来ることさえ拒むようになっていました。
ご主人には少しモラハラ的なところもあり、奥様は、
「どうしてお店に行ってはいけないの?」
「こんなに遅くまで、どこにいるの?」
と聞きたくても、なかなか聞くことができなかったそうです。
20年前の手紙。
深夜や朝方の帰宅。
お店に来なくていいと言うようになったご主人。
一つひとつを考えるたびに、
「やっぱり、あの女性との関係が続いているのでは……。」
という思いが消えなくなっていきました。
そこで、ご主人の調査をすることになりました。

調査で見えたのは、奥様が想像していたものとは違うご主人の姿でした
ご主人は、ご自身のお店を一軒一軒回っていました。
それだけではありません。
長年その地域で商売をされてきたこともあり、周囲から頼られる存在だったようです。
商店街のまとめ役をしたり、知り合いから相談を受けたり、さまざまなお店へ顔を出したり。
確かに、帰宅が遅くなる生活をされていました。
でも、調査を続けても、奥様が心配されていた女性の存在は確認できませんでした。
そんな中、ご主人が昔なじみのお店に立ち寄った時のことです。
知人から、
「最近、奥さん店に顔出さないね。元気なの?」
と聞かれました。
すると、ご主人はこんなことを話していました。
「長年よくやってくれたよね。でも、やっぱり深夜までの仕事はきついはずだから、もういいって言ったんだよね。」
そして、
「もう店は任せて、二人で温泉でも本当は行きたいんだけどね。」
と。
奥様には直接言わなかった言葉でした。
「お店に来るな」と言われたと思っていた。
自分を遠ざけようとしているのだと思っていた。
でも、ご主人の本当の気持ちは違っていたのです。
長い間、一緒にお店を支えてくれた奥様への感謝と、
「これからは二人でゆっくりしたい。」
という思いがありました。
調査結果と一緒に、ご主人が奥様のいないところで話していたこの言葉をお伝えした時の、奥様の本当に幸せそうなお顔を、私は今でも覚えています。
でも、「疑い過ぎ」で終わらせてはいけないこともありますここまで読むと、
「やっぱり疑わない方がいいのでは?」
と思われるかもしれません。
でも、そうではありません。
別の奥様から、こんなご相談を受けたことがあります。
「身内や友達からは、私が疑い過ぎだと言われるんです。私も、そうなのかなぁと思うんですが……。」
ご主人は私立高校の教員でした。
周囲からは、
「まじめが服を着て歩いているような人」
と言われるようなご主人だったそうです。
そんなある日、奥様が娘さんと渋谷へ出掛けた時のことでした。
反対側の通りに、ご主人によく似た男性が歩いているのを見かけました。
しかも、隣には女性がいました。
何より奥様の心に引っかかったのは、その時の表情でした。
普段、家ではあまり見せないような笑顔で、その女性と歩いていたそうです。
その日の夜、奥様はご主人に聞きました。
「今日、渋谷にいた?」
すると、
「何を言っているの?今日は学年会議だって言っていたよね。」
「渋谷になんか行ってないよ。」
そう言われました。
確かに今日は学年会議だと言っていた。
見かけたのも反対側の通り。
顔を間近で確認したわけでもない。
「やっぱり、私の見間違いだったのかな。」
その場では、奥様もそう思ったそうです。
ところが、日が経つにつれて、あの時の光景がどうしても頭から離れなくなりました。
身内や友人に話しても、
「考え過ぎじゃない?」
「そんな真面目なご主人が?」
と言われる。
ご主人自身にも否定されている。
それでも、奥様の中の違和感は消えませんでした。
そして、調査した結果――
このケースでは、奥様が感じていた違和感は、間違いではなかったんです。
「これは間違いなく浮気」と思っても、違うこともあります
一方で、こんなケースもありました。
「主人は仕事が忙しいと言いますが、今の時代、会社がそこまで働かせるものなのでしょうか?」
そうご相談に来られた奥様です。
ご主人は金融関係にお勤めで、同期の中でも出世頭。
朝早く出勤し、帰宅は深夜。
休日にもゴルフや講習会などで家を空けることが多かったそうです。
ご夫婦は長い間SEXレスでもあり、奥様は「仕事人間だから」と自分に言い聞かせてきました。
そんなある日、ご主人の部屋を掃除していた奥様が、クローゼットの奥にあるものを見つけました。
有名な宝飾店の紙袋と、アクセサリーが入っているような小箱。
「どうしてこんなものがここにあるの?」
それまでのご主人の行動が、一気につながったように感じたそうです。
「やっぱり浮気しているとしか考えられない。」
ところが、調査をしてみると、ご主人は本当に仕事中心の生活を送っていました。
女性の存在は確認できませんでした。
では、あのアクセサリーは何だったのか。
調査結果を聞いた奥様は、深夜に帰宅したご主人にとうとう、
「これ、何?」
と聞いたそうです。
すると、ご主人から返ってきたのは、
「今年、結婚15年でしょ。クリスタルウェディングっていうんだって。」
そして、
「見つかってたんだ。残念。サプライズだったのに。」
という言葉でした。
奥様が「浮気相手へのプレゼントかもしれない」と思っていたものは、実はご自身への結婚15周年のプレゼントだったのです。

白黒が分からない、疑っている時が一番苦しいのかもしれません
23年間、多くのご相談をお受けしてきて感じることがあります。
過去に一度浮気をされた経験があり、
「また同じことが起きているのではないか。」
という不安を抱えてご相談に来られる方は、決して少なくありません。
そして、ご主人を大切に思っているからこそ、
「信じたい。」
でも、
「やっぱり気になる。」
その二つの気持ちの間で苦しんでいる方もたくさんいらっしゃいます。
白なのか。
黒なのか。
分からない。
私は、この**「分からない時間」こそ、とても苦しい時間なのではないか**と思っています。
でも、事実を知るのも怖い。
もし本当に浮気だったらどうしよう。
家庭はどうなるのだろう。
子どもは?
これからの生活は?
そう考えると、確認することも怖くなります。
だから、
「もう少し様子を見ます。」
とおっしゃる方もいます。
もちろん、それも一つの選択です。
ただ、その「もう少し」が半年になり、1年になり、時には2年になってしまう方も、私は見てきました。
その間ずっと、ご主人が帰宅する時間を気にしたり、スマートフォンが鳴るたびに胸がざわついたり、何気ない言葉の一つひとつに意味を探したり……。
それは、とてもつらい時間です。
「疑ってしまう私がおかしい」と、一人で答えを出さないでください
今回ご紹介した三つのケースでも、結果は同じではありませんでした。
疑って調査した結果、何もなかった方。
思いもよらないご主人の優しさを知った方。
そして、感じていた違和感が間違いではなかった方。
だから私は、
「その違和感は絶対に当たっています。」
とも、
「考え過ぎだから気にしない方がいいですよ。」
とも言えません。
ご相談の段階では、私にも事実は分からないからです。
だからこそ、まずお話を聞かせてほしいと思っています。
何があったのか。
いつ頃から気になり始めたのか。
以前と何が変わったのか。
一つひとつお話しいただくことで、ご自身でも気持ちや状況を整理できることがあります。
相談したからといって、必ず調査をしなければならないわけではありません。
「少し様子を見てみよう。」
という答えになることもあれば、
「一度きちんと確認してみよう。」
という答えになることもあります。
大切なのは、誰かに決めてもらうことではなく、ご自身が納得して次の一歩を選ぶことだと私は思っています。
まとめ|まずは、その違和感を話してみませんか
「私が気にし過ぎなのかな。」
「疑っている私がおかしいのかな。」
そう思って、一人で自分を責めないでください。
疑ってしまう背景には、それまでの出来事や、ご主人のちょっとした変化、そしてご主人を大切に思う気持ちがあるのかもしれません。
ただし、
疑っていることと、浮気をしているという事実は別です。
だからこそ、白か黒かを一人で決めつける前に、
まずは客観的にどう見えるのか、誰かに話してみてください。
もちろん、私たちにお話しいただいても構いません。
すぐに答えを出す必要はありません。
一緒に状況を整理するところから始めればいいのです。
白黒が分からないまま、一人で苦しみ続けないでくださいね。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 浮気の証拠が何もなくても相談していいですか?
もちろんです。
ご相談の段階で、証拠がそろっている必要はありません。
「何となく気になる。」
「以前と様子が違う。」
そんな段階でも、まずは状況を整理するためにお話しいただけます。
Q. 相談したら、調査を依頼しなければいけませんか?
そのようなことはありません。
ご相談と調査のご依頼は別です。
状況を伺ったうえで、少し様子を見た方がいい場合もあれば、一度確認した方がいい場合もあります。
ご自身が納得したうえで、次の一歩を決めることが大切です。
Q. 一度浮気されたので、どうしてもまた疑ってしまいます。
過去に浮気をされた経験があれば、ちょっとした変化にも不安を感じてしまうことがあります。
だからといって、ご自身を「おかしい」と責める必要はありません。
今感じている不安と、現在確認できている事実を一度分けて整理してみることから始めてみてください。


