執筆:岡田美香(CORE探偵事務所 代表取締役)
「浮気の証拠を取ってから、弁護士に相談するべきですか?」
「先に弁護士へ相談して、必要な証拠を確認した方がよいのでしょうか?」
配偶者の浮気を疑ったとき、探偵と弁護士のどちらへ先に相談すべきか迷う方は少なくありません。
結論から言えば、必ず探偵が先、必ず弁護士が先という決まりはありません。
事実がまだ分からず、配偶者の行動や浮気相手について確認したい場合は、探偵への相談を先に考えます。
一方、すでに浮気の事実が分かっており、離婚や慰謝料請求、別居、生活費、子どものことなど、法律上の進め方を確認したい場合は、弁護士への相談を先に考えます。
また、調査の目的を弁護士に確認しながら、探偵にも調査方法を相談するなど、両方へ並行して相談する方法もあります。
私は法律事務所で14年間、事務長として法律実務に携わってきました。現在は、CORE探偵事務所の代表として探偵業を運営しています。
両方の仕事に関わって感じるのは、探偵と弁護士は競い合う関係ではなく、同じ問題の異なる部分を担当する存在だということです。
この記事では、それぞれの役割と、状況に応じた相談の順番について解説します。
先に決めるのは相談先ではなく「今、何を解決したいか」
探偵と弁護士のどちらを先にするか迷ったときは、まず「今、一番知りたいこと、決めたいことは何か」を整理します。
| 現在の状況・目的 | 先に考えたい相談先 |
|---|---|
| 本当に浮気をしているのか確認したい | 探偵 |
| 浮気相手が誰なのか分からない | 探偵 |
| 配偶者の行動を確認したい | 探偵 |
| 離婚や慰謝料請求の見通しを知りたい | 弁護士 |
| 別居、生活費、子どもの問題を相談したい | 弁護士 |
| すでに相手方や代理人から連絡が来ている | 弁護士 |
| どのような証拠が必要か確認してから調査したい | 弁護士と探偵の両方 |
| 事実確認と今後の法的対応を同時に進めたい | 弁護士と探偵の両方 |
「どちらが正しいか」ではなく、自分の現在地と目的に合っているかで判断することが大切です。
探偵と弁護士では、できることが違います
探偵と弁護士は、浮気や不倫の問題に関わることがありますが、役割は異なります。
探偵業務は、依頼を受けて特定の人の所在や行動に関する情報を、聞き込み、尾行、張り込みなどの実地調査によって収集し、その結果を依頼者へ報告する業務と法律上定義されています。
探偵が扱うのは、主に次のような事実の確認です。
- 配偶者が、いつ、どこで、誰と会っているのか
- 浮気相手と思われる人物とどのように行動しているのか
- 浮気相手が誰なのか
- 対象者がどのような場所へ出入りしているのか
一方、弁護士は法律の専門家です。法律相談は証拠がすべてそろってからでなければ受けられないものではなく、問題のどの段階でも相談できます。相手との交渉を依頼することもできます。
弁護士へ確認する内容には、例えば次のようなものがあります。
- 現在分かっている事実を法律上どう評価するのか
- 離婚や慰謝料請求を検討できるのか
- 今後、どのような証拠や資料が必要なのか
- 配偶者や浮気相手とどのように交渉するのか
- 別居、生活費、財産分与、子どもの問題をどう進めるのか
分かりやすく整理すると、
探偵は「何が起きているのか」を確認する。
弁護士は「分かった事実を基に、法律上どう進めるか」を考える。
という役割の違いがあります。

弁護士への相談を先に考えたいケース
すでに浮気の事実が分かっている
配偶者が浮気を認めている場合や、すでに写真、メッセージ、領収書などの資料を持っている場合は、まず弁護士に相談してもよいでしょう。
持っている資料が法律上どのように評価されるか、追加の調査が必要かどうかは、個別の事情によって異なります。
探偵に依頼する前に弁護士へ相談することで、何を目的として、どこまで調査する必要があるのかを整理できる場合があります。
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離婚や慰謝料請求を具体的に考えている
「離婚したい」「浮気相手へ慰謝料を請求したい」など、今後の希望が具体的になっている場合は、早い段階で弁護士へ相談する意味があります。
どのような事実や証拠が重要になるかを確認してから探偵へ相談すれば、調査の目的も明確になります。
相手方や弁護士から連絡が来ている
配偶者や浮気相手の代理人から書面や連絡が届いている場合は、自分だけで返答せず、弁護士への相談を優先した方がよいでしょう。
回答期限が設定されている場合もあるため、探偵による調査を検討していることとは分けて、法律上の対応を確認する必要があります。
別居、生活費、子どもの問題が迫っている
浮気の問題と同時に、別居後の生活費、住居、財産、子どもの生活や親子交流などを考えなければならない場合があります。
これらは調査だけでは解決できない問題です。自分で判断することが難しい場合や、相手との話し合いが困難な場合は、弁護士への相談が案内されています。
探偵への相談を先に考えたいケース
浮気しているかどうか分からない
帰宅時間が遅くなった、休日の外出が増えた、スマートフォンの扱いが変わったなど、違和感はあっても、浮気の事実がまだ分からないことがあります。
この段階では、弁護士に相談しても、法律上の結論を考える前提となる事実が不足している場合があります。
まず探偵のカウンセラーへ相談し、現在分かっていることや対象者の行動を整理することで、調査が必要かどうかを考えやすくなります。
浮気相手が誰なのか分からない
配偶者が誰かと会っていることは疑っていても、相手の氏名や関係が分からない場合があります。
慰謝料請求などの法的対応を考える前に、まず事実関係や相手を確認する必要があるケースでは、探偵への相談を先に考えます。
配偶者が否定しており、事実を確認したい
配偶者を問い詰めても否定され、何が本当なのか分からなくなっている方もいます。
そのようなときに、自分で尾行したり、無理にスマートフォンを確認したりすると、配偶者に警戒され、その後の調査が難しくなることがあります。
まずは、自分で動く前に、探偵へ相談して現在の状況を伝えることが大切です。
関連記事:自分で尾行・スマホ確認をすると不利になることがある理由
離婚するか、関係を修復するか決めていない
探偵に相談するために、離婚を決めている必要はありません。
「まず事実を知りたい」「事実を確認してから考えたい」という段階でも相談できます。
離婚するのか、夫婦関係を修復するのか、慰謝料請求をするのかは、調査前にすべて決めておかなければならないものではありません。

弁護士と探偵へ同時に相談しても構いません
弁護士への相談が終わるまで探偵へ相談してはいけない、あるいは、探偵の調査がすべて終わるまで弁護士へ相談できない、ということはありません。
例えば、
- 弁護士に、今後の希望と必要な証拠について相談する
- 探偵に、実際にどのような調査ができるか相談する
- 調査内容、費用、今後の進め方を踏まえて依頼するか決める
という進め方もできます。
弁護士は法律上必要となる事実や資料を考え、探偵は実際の行動や状況から、調査の方法を考えます。
両方の視点を先に確認することで、目的が曖昧なまま調査を長く続けたり、必要以上の費用をかけたりすることを防げる場合があります。
私が「必ず探偵が先」と言わない理由
私は現在、探偵事務所の代表をしています。
しかし、浮気を疑っているすべての方に対して、「まず探偵へ依頼してください」と考えているわけではありません。
探偵ができるのは、事実を確認し、必要な情報を収集することです。
調査で事実が分かったとしても、その後に離婚するのか、慰謝料を請求するのか、夫婦関係を修復するのかを決めるのは依頼者自身です。
また、法律上どのような対応ができるのか、持っている証拠がどのように評価されるのかを個別に判断するのは、探偵の役割ではありません。
一方、法律上の選択肢が分かっても、実際に配偶者が何をしているのか、誰と会っているのかという事実が確認できなければ、次へ進めない場合もあります。
法律事務所と探偵事務所の両方を知る立場だからこそ、私は、役割の境界を曖昧にしないことが大切だと考えています。
探偵の範囲で解決できることなのか。
弁護士に法律上の判断を求めるべきことなのか。
あるいは、両方の力が必要なのか。
相談者が今置かれている状況に合わせて整理することが、最初の一歩です。
迷ったときは、3つの質問で整理する
探偵と弁護士のどちらへ相談すべきか迷ったら、次の3つを考えてみてください。
1.今、一番知りたいことは何か
「本当に浮気しているのか」「相手は誰なのか」を知りたいのであれば、探偵への相談が中心になります。
「離婚できるのか」「慰謝料請求ができるのか」「今後どう動くべきか」を知りたいのであれば、弁護士への相談が中心になります。
2.現在、どこまで事実が分かっているか
違和感だけなのか、浮気相手との接触が分かっているのか、配偶者が認めているのかによって、必要な相談先は変わります。
すでに資料がある場合でも、それが法律上十分なものかは自分で決めつけず、弁護士へ確認してください。
3.急いで対応すべき問題があるか
相手方から連絡が来ている、別居や生活費の問題が迫っているなど、法律上の対応を急ぐ必要がある場合は、事実確認だけを先行させず、弁護士へ相談します。
一方、浮気相手と会う可能性が高い日が迫っている場合は、探偵への相談も並行して進めることを検討します。
CORE探偵事務所が大切にしていること
CORE探偵事務所では、決まった調査プランを一律に当てはめるのではなく、まず相談者の現在の状況を伺います。
- 何に違和感を持っているのか
- 現在、どこまで事実が分かっているのか
- 何を確認したいのか
- 調査後にどのような選択を考えているのか
- どの程度の予算で進めたいのか
これらを担当カウンセラーと整理したうえで、一人ひとりに合った調査を考えます。
いわば、調査内容も料金もオーダーメイドです。
また、調査を契約して終わりではありません。
対象者の予定が変わった場合や、調査によって新しい事実が分かった場合には、担当カウンセラーと相談しながら、その後の調査を組み立てていきます。
料金説明から調査、報告まで一人の担当者が継続して対応し、調査の先にある相談者の選択まで見据えることを大切にしています。
さらに、CORE探偵事務所では、調査終了後に弁護士へ1時間無料で相談できる制度を設けています。

調査によって事実や証拠が明らかになっても、
- 離婚するのか
- 夫婦関係の修復を目指すのか
- 配偶者や浮気相手へ慰謝料を請求するのか
- 今持っている証拠を今後どう使うのか
については、簡単に決められるものではありません。
また、証拠が取れたからといって、探偵が離婚や慰謝料請求の可否を判断することはできません。個別の事情に応じた法律上の判断は、弁護士の役割です。
そのためCORE探偵事務所では、調査報告を渡して終わりにするのではなく、調査後の選択を考えるために、弁護士へ相談できる機会をご用意しています。
探偵は事実確認と証拠収集を行い、弁護士は、その結果を基に法律上どのような選択肢があるのかを整理します。
それぞれの役割を明確にしながら、調査の先までつなげていくことが、CORE探偵事務所の考えるアフターフォローです。
調査を依頼する前には、料金だけでなく、追加費用や調査時間、報告内容、解約条件まで確認しておくことが大切です。
どちらに相談するか決まっていなくても大丈夫です
浮気を疑い始めたばかりの段階では、自分が何を知りたいのか、今後どうしたいのかも決められないことがあります。
その状態で、無理に結論を出す必要はありません。
まずは、
- 現在起きていること
- 自分が感じている違和感
- すでに分かっている事実
- 一番不安に感じていること
を整理するところから始めてください。
CORE探偵事務所では、証拠がない段階でもご相談いただけます。
探偵に依頼するべきか、まず弁護士へ相談するべきか迷っている場合も、まずは今の状況をお聞かせください。
よくある質問
証拠をそろえてからでなければ、弁護士に相談できませんか?
証拠がそろっていない段階でも弁護士へ相談できます。日本弁護士連合会も、法律相談は問題のどの段階でも利用できると案内しています。現在持っている資料を見せ、今後どのような事実や証拠を確認すべきか相談するとよいでしょう。
離婚するか決めていなくても探偵に相談できますか?
相談できます。浮気の事実を確認したうえで、夫婦関係を修復するのか、離婚するのかを考えたいという方もいます。依頼を決める前に、現在の状況を整理するための相談もできます。
探偵に慰謝料請求ができるか判断してもらえますか?
個別の事情について、慰謝料請求が可能か、どの程度の証拠が必要かなどの法律上の判断は、弁護士へ相談してください。探偵は事実確認や証拠収集を担当し、弁護士とは役割が異なります。
弁護士と探偵の両方に相談してもよいですか?
問題ありません。弁護士に法律上の目的や必要な事実を確認し、探偵に実際の調査方法や費用を相談することで、必要な調査を整理しやすくなる場合があります。
CORE探偵事務所では、調査後に弁護士へ相談できますか?
はい。CORE探偵事務所では、調査終了後に弁護士へ1時間無料で相談できる制度をご用意しています。調査結果を踏まえて、離婚、慰謝料請求、夫婦関係の修復など、今後の選択を考える際にご利用いただけます。


