修復・離婚・慰謝料請求だけではない、本当に大切な考え方
「調査の結果が出ました。」
その瞬間、多くの方が私にこうおっしゃいます。
「これから、どうすればいいのでしょうか。」
浮気調査というと、「証拠を取って離婚するため」と考えられることが少なくありません。
しかし、23年間多くの方のご相談を受けてきた私は、そうは思っていません。
調査はゴールではなく、これからの人生を考えるためのスタートです。
証拠があるから離婚しなければならないわけではありません。
修復を選ぶ方もいれば、離婚を選ぶ方もいます。
慰謝料請求だけで区切りをつける方もいれば、すぐには何も決めず、時間をかけて考える方もいらっしゃいます。
今回は、調査後に実際に選ばれている主な選択肢について、私がこれまで出会ってきたご相談者様の実例を交えながらお伝えします。
修復という選択肢
浮気の事実が分かると、「離婚しかない」と思われる方も少なくありません。
しかし実際には、修復という選択をされるご夫婦も決して少なくありません。
以前ご相談いただいた40代のご夫婦のお話です。
単身赴任中だったご主人の部屋から女性物のカーディガンが見つかり、奥様は経済力もある方でしたので、離婚を前提に調査をご依頼されました。
調査では、ご主人と女性が部屋へ出入りする様子やデートをしている様子が確認されました。
報告書をご覧いただきながらお話をしていた時、私は何気なく、
「ご主人は普段からこんな表情をされる方ですか。」
とお聞きしました。
すると奥様は、しばらく映像を見つめた後、
「主人は、この女性と本気で一緒にいたいわけではないことが分かりました。」
と静かにお話しくださいました。
その後、ご夫婦は何度も話し合いを重ね、「離れて暮らす生活そのものを見直そう」という結論になりました。
通勤時間は長くなりましたが、お互いの職場の中間地点へ引っ越し、夫婦で生活をやり直すことを選ばれました。
数か月後、奥様から一通のお手紙が届きました。
「以前より会話をする時間が増え、お互いを理解しようと努力するようになりました。そして、待ち望んでいた赤ちゃんを授かることができました。」
そのお手紙を読んだ時、私も胸が熱くなったことを今でも覚えています。
修復は決して簡単ではありませんし、時間もかかります。
ですが、お互いが向き合い努力を続けることで、新しい夫婦関係を築き、以前より幸せなご夫婦になられた方も確かにいらっしゃいます。

離婚を急がないという選択肢
一方で、離婚を決意していても、すぐに行動できない事情を抱えている方も少なくありません。
ある40代の女性は、ご主人からDVを受け、不貞も疑われる状況でご相談に来られました。
しかし、ご夫婦は病院を共同経営しており、奥様は多額の融資の連帯保証人になっていました。
そのまま離婚すれば、経済的に大きな負担を背負う可能性があったのです。
そこで、まずは浮気の証拠を確保し、弁護士や税理士と連携しながら計画的に離婚の準備を進めることになりました。
別居のタイミング、借入金の整理、慰謝料請求など、一つひとつを慎重に進め、約2年後、ご相談者様はご自身が望まれていた条件に近い形で離婚を成立させることができました。
証拠は、すぐに離婚するためだけのものではありません。
この方は証拠を取ったから離婚したのではありません。証拠があったからこそ、自分にとって一番良いタイミングを選ぶことができたのです。
慰謝料請求という選択肢
浮気調査を依頼される理由は、離婚だけではありません。
「今回はきちんと責任を取ってもらいたい。」
そんな思いから、慰謝料請求を選ばれる方もいらっしゃいます。
以前ご相談いただいた奥様は、ご主人の浮気が初めてではありませんでした。
これまで何度も浮気を繰り返され、そのたびに許してきたそうです。
しかし今回は、
「このままでは、また同じことを繰り返す。」
そう感じ、証拠を取ることを決意されました。
調査によって不貞の証拠を確保した後、弁護士を通じてご主人と浮気相手の双方へ慰謝料請求を行いました。
ご主人は、まさか奥様がここまで行動に移すとは思っておらず、大変驚かれたそうです。
「慰謝料は二人分とも自分が支払うから、女性に謝罪文を書かせることだけはやめてほしい。」
ご主人は何度もそうお願いされたそうですが、奥様は応じませんでした。
奥様が求めていたのは、お金ではありません。
自分がしたことの重大さを、ご主人に心から理解してもらうこと。
そして、ご主人が困惑しながらも必死に反省する姿を見て、最後は奥様ご自身の意思で区切りをつけられました。
慰謝料請求は、お金を受け取ることだけが目的ではありません。
自分の気持ちに区切りをつけ、新しい一歩を踏み出すための方法になることもあります。
あえて何もしないという選択肢
調査によって事実が分かっても、すぐに結論を出さない方も少なくありません。
「浮気をされたことは許せない。でも、やっぱり大切な人には変わらない。」
そんなお気持ちを抱えながら、時間をかけて考えたいという方も多くいらっしゃいます。
印象に残っているのは、結婚30年以上のご夫婦です。
奥様は、
「主人よりも、長年一緒に暮らしてきた義母を一人残して家を出ることはできません。義母を見送ってから、自分の人生を考えます。」
とお話しくださいました。
本当に悩み抜いた末に出された結論だったと思います。
このご相談者様のお話を伺い、私は改めて感じました。
人それぞれ、置かれている状況や人生の背景は異なります。
だからこそ、誰かの答えが、自分にとっての正解とは限りません。
調査をしたからといって、すぐ離婚しなければならないわけではありません。
時間をかけて考えることも、大切な選択肢の一つなのです。

若林が23年間の相談でお伝えし続けてきたこと
私は23年間、多くのご相談者様と向き合ってきました。
その中で強く感じていることがあります。
それは、
「どの選択が正しいか」ではなく、「自分が納得できる選択ができたか」が何より大切だということです。
考えに考え、ご自身が幸せになるための答えが離婚であるなら、しっかり準備をして、新しい人生へ踏み出していただきたいと思います。
一方で、結論を出せず悩まれる方もたくさんいらっしゃいます。
それは決して弱さではありません。
ご縁があって出会い、お互いを大切に思い、人生を共に歩もうと決めた相手だからです。
長い結婚生活の中で、価値観の違いやすれ違いが生まれることは、決して珍しいことではありません。
私は、ご相談者様によくこうお伝えしています。
「離婚はいつでもできます。」
だからこそ、一度はお互いと向き合い、修復できる可能性があるかを考えてみても遅くはありません。
その結果、
「やはり難しい。」
という結論になったのであれば、その時は後悔しないよう十分な準備をして、新しい人生へ進めば良いのです。
一方で、自分自身や相手と向き合うことで、これまで気づかなかったことに気づき、もう一度夫婦として歩み始める方もいらっしゃいます。
調査は、離婚するためのものではありません。
ご自身が後悔しない人生を選ぶために、事実を知ること。
それが、浮気調査の本当の意味だと私は考えています。
よくある質問
Q. 浮気調査をしたら、離婚しなければいけませんか?
いいえ。そのようなことはありません。修復を選ぶ方も、慰謝料請求だけを行う方も、しばらく何も決めずに時間をかけて考える方もいらっしゃいます。
Q. 修復を選ぶ場合でも証拠は役に立ちますか?
はい。事実を曖昧にしたまま話し合うよりも、お互いが現実を受け止めたうえで話し合う方が、再出発につながることもあります。
Q. 離婚しなくても慰謝料請求はできますか?
状況によっては可能です。ただし、個別の事情によって判断が異なりますので、弁護士へ相談されることをおすすめします。
まとめ
浮気調査後の選択肢は、一つではありません。
修復を選ぶ方もいれば、離婚を選ぶ方もいます。
慰謝料請求によって区切りをつける方もいれば、すぐには何も決めず、時間をかけて考える方もいらっしゃいます。
大切なのは、周りの意見や焦る気持ちに流されることなく、ご自身が納得できる選択をすることです。
株式会社COREでは、調査だけではなく、23年間ご相談者様と向き合ってきた経験をもとに、お一人おひとりのお気持ちを整理しながら、後悔のない選択ができるようお手伝いしています。


